麻雀の安全牌考察

麻雀を打っていると、少なからず一回以上はオリることになります。毎局オリもせずに和了れるならすごく楽しいのでしょうが・・・。

 

麻雀を数年やってみて、どういった牌が他家に通りやすいのか、まとめてみました。

 

字牌は抜きにして、数牌のみで考えてみました。


1位:合わせ打ち

 

麻雀の攻略サイトなどを見てみると、守備において最強なのは「現物」であると記されていることが多いです。確かに、立直している人に対して、現物が当たることは100%ありません。

 

しかし、立直している人以外に当たってしまうことがあります。誰かが立直してきたからといって、必ず3人全員がベタオリしているとは限らないからです。

 

むしろ、立直をかけられたので立直者の現物を切ったら、他の人からの直撃を喰らってしまった。というようなパターンも何度か経験しています。

 

つまり、現物も「100%安心」とは言い切れないわけです。

(現物を正確に言うなら、「立直者に対しては100%安全だが、全体として100%安全とは言えない牌」です)

 

そんな現物以上に安心して切れる牌があります。それが、前の人と同じ牌を切る「合わせ打ち」という技術です。

 

立直をかけている人が下家・対面の場合は上家の捨てた牌と同じ牌を切ります。上家が曲げた場合は対面の捨てた牌で、上家と対面が立直しているのであれば下家の人が捨てた牌を合わせて捨てます。これが、合わせ打ちです。

 

先ほど、現物は「立直者に対しては100%安全だが、全体として100%安全とは言えない」と書きましたが、合わせ打ちは、正真正銘の100%安全牌です。絶対に安全と言い切れる唯一の牌です。

 

立直している人がいる場合、合わせ打ちをするような場面に遭遇するのは、たいてい立直者以外にも押している人がいる場合です。

切りたくない牌を抱えていたところ、上家などからヒョコっと危険牌が切られるわけですね。これが通った。だから自分も合わせて打ってしまう・・・。こういう流れは何度も経験しています。

 

一順フリテンのルール上、仮に立直者が見逃しをしていたとしても、ロンされることはなく、絶対に安全なので、最強のオリ牌と言えます。

 

2位:現物(げんぶつ)

 

立直している人に対して、100%当たることのない牌です。合わせ打ちに比べると、しょっちゅう使うものです。

 

合わせ打ちとは、そもそも前の人が切った牌を自分が持っていなければならないので、いくら100%安全の最強オリ牌と言っても、そこまで使える機会がないのが現実です。

 

その点、現物は立直者の河を見れば、自分も持っている牌が2~5枚くらいはあることが多いので、ベタオリするのであれば、しばらくの間はもつことができます。

 

 

しかし、1位の合わせ打ちのところでも書いた通り、立直者の現物だからといって、それ以外の人に通るわけではありません。麻雀は二人でやっているゲームでしょうか?立直している人のほかにも、二人の敵がいるわけです。

 

 

たとえば、守備を覚えたてのときに経験したこと。

対面から立直。9pをツモってきたが、対面は序盤に9pを捨てていたので、当たることはないと自信満々に捨てたところ下家からロン。筒子のバカホン役牌ドラドラで満貫放銃。

 

上の例だと、一色手を狙っている人がいるということです。一色手なうえにドラドラですので、下家も押していたのですね。筒子が場にものすごく高い状況で、立直が来たからと深く考えずに立直者の現物の筒子を切ったために放銃となってしまった。ということです。

 

立直している時に、他家がオリきっているか?現物を切るとなると、他家の様子も見つつ切らなければなりません。

 

その点に注意さえすれば、現物は強い守備牌と言えます。

3位:誰かの立直後に他家が捨てた牌すべて

 

「合わせ打ち」と「現物」をミックスしたような守備牌です。100%安全とは言い切れないですが、僕としては『スジ』よりもアテにしています。

 

たとえば、対面が立直をかけました。下家は攻めており危険牌を切ってくれています。上家は自分と同じくベタオリで、現物やスジを使って降りているようです。

 

こういったときに、下家の切った牌を打つことで、自動的に二人からの放銃を避けることができます。対面に当たらない牌かつ下家の現物だからです。上家の捨てた牌も同様に、対面に当たらない牌かつ上家の現物で、二人には絶対に当たらない牌です。

 

上の例なら、下家の危険牌を合わせて打っていくのが理想的です。対面にも当たらないうえ、攻めている気配の上家にも決して当たることのない牌・かつオリている下家に放銃する可能性も極めて低いからです。

 

必ずしも次の順目で合わせ打つ必要はなく、たとえば対面の立直が8順目。下家が11順目に2sを切っており、自分が15順目に2sをツモってきた。この2sは対面の無筋ですが既に通っており、下家の現物であり、上家の河はオリている様子。ならば、この2sはほぼ100%通ると見て間違いないと言えます。

 

これは、立直者以外にも攻めている気配の人がおり、安全牌をどんどん増やしてくれるような状況の際にとても使える守備方法です。

 

逆に、全員が立直に対してオリている場合、現物・スジ以外殆ど切られませんので、1位の合わせ打ちとこの守備方法はあまり使えなくなってしまいます。(実は立直者以外全員オリているときが一番手詰まりになりやすいです)


↑かなり信頼できる守備牌のライン↑

4位:表スジ・中スジ

 

【表スジ】

4が捨てられているときの1と7

5が捨てられているときの2と8

6が捨てられているときの3と9

 

 

【中スジ】

1と7が捨てられているときの4

2と8が捨てられているときの5

3と6が捨てられているときの6

 

麻雀のスジというのは、他家から立直がかかったときに、両面待ちだと仮定して、フリテンでロンできないであろうと考えられる牌のことを指します。

 

「4が捨てられているのに23・56と持っているはずがない。仮に23・56と持っていたとして、1・7はフリテンでロンできないのだから、比較的安全であろう。」ということですね。

 

表スジか中スジかで比べてみると、やや中スジのほうが信頼できる気がします。もう少し正確に言うのであれば、たとえば1と7が切られていて、4が(立直前に立直者以外が)1枚以上河に捨てているのであれば、かなり安心して切れる牌だと思います。たとえ立直者が1と7を切っているからといって、4が生牌だったとすれば、ノータイムで切る、というのは少し危険な気がします。

 

1と7が切られていることを逆手にとって、あえてシャボ待ちやスジひっかけのカンチャン待ちにする可能性もありますので、100%安心とは言えません。

 

ちなみに、立直宣言牌(横に曲げた牌)のスジはアテにしないほうがよい。というのが僕の持論です。

 

横に曲げられているので、どうしても目立ってしまい、その牌のスジを切りたくなってしまうのですが、ひっかけの可能性が高いです。5立直の2放銃などは何度も経験しています。

そういったときの相手の手牌は、だいたいが両面塔子一つに135と持っているような場合が多いです。両嵌待ちも確率的には両面と同じはず・・・だと思うのですが、不思議なもので、だいたいいつも両面から先に引いてくる気がします。

 

たとえば7m 8m 1s 3s 5sと持っていて、そこに9mをツモってきました。すると、1sか5sを切って聴牌です。ここで気づくんですね、「あっ、これスジひっかけできるぞ」。タンヤオ確定なら5s切りダマなどもアリですが、9mをツモってきてしまったとなると、タンヤオの手替わりも面倒です。となれば、1s切りよりも5s切り立直のほうが、ひっかかりやすいのです。

 

なぜなら、7位で説明する片スジよりも、5s切り表スジのほうが、他家が油断してくれるのです。1sが切られたからと何も考えず4sを一発で出してくるような方は少ないですが、5sというド真ん中の牌が切られると、それよりも外側にあるスジの2sなどは通るだろうという妙な安心感が出やすいです。

 

何回も対局をしてきた中で、立直牌の表スジひっかけ(4切り17・5切り28・6切り39)は何度も見てきました。

 

スジを切るなら、立直より前に捨てられた牌のものが信頼できます。

立直後のスジは、参考程度にするのがよさそうです。

5位:ノーチャンス(カベ)

 

【カベ一覧】

2が4枚見えている→1が安全であろう

3が4枚見えている→1と2が安全であろう

4が4枚見えている→2と3が安全であろう

5が4枚見えている→3と7が安全であろう

6が4枚見えている→7と8が安全であろう

7が4枚見えている→8と9が安全であろう

8が4枚見えている→9が安全であろう

 

というものです。「4枚見えている」のが『ノーチャンス』であり、「3枚見えている」のが『ワンチャンス』ですね。大学生ご用達の「ワンチャン」です。

 

「ワンチャン通るだろ(正しい使い方)」

 

カベ理論も、相手が両面待ちだと仮定した場合のオリ読みです。2が4枚見えているということは、23と持っている可能性はないのだから、1は安全だろう。こういう考え方ですね。

 

ただし、スジ理論と同様、立直者が必ずしも両面待ちとは限らないです。とくに多いのはシャボ待ちやカンチャン待ちです。2が4枚見えているからといって、一枚だけ浮いている生牌の1を切るのはやや心配です。その人の捨て牌がトイトイ気味な場合(とくにポンを2つ・3つしている場合)は、1を2枚持っていて放銃する可能性があります。立直者の捨て牌が平和系(横に伸ばそうとしているように思える)かつ染め手でないのであれば、カベは大いに信頼できる技術です。

 

 

トイトイを狙っていそうな人がいる場合、ノーチャンスであっても、その牌が場に一枚も見えていないならあまり参考にはなりません。

 

さらに七対子を狙っている人は、あえてカベ理論を逆手にとった立直をかけてくることがあります。七対子の立直は、追いかけられると劣勢というデメリットもあるのですが、早めの出上がりを期待するのであれば、とても良い戦略だと思います。オリているつもりの他家から当たり牌が出てくるからです。立直をかけているにも関わらず、立直をかけていないよりもその牌が出やすいという面白い現象が起きるのです。

 

 

七対子で立直をする場合、字牌待ちか老頭牌で待つことが多いかと思うのですが、こういったときにスジよりもカベひっかけをするとあっさりと一発で当たり牌が出てきたりします。

 

実際に僕が放銃した経験で、8mが4枚切れで、2枚切れの9mをツモってきた際に、ノーチャンス、かつ9m自体が2枚切られているのでかなり安心とノータイムで切ったらロンの声。これはやられたと思いましたね。

 

8mのノーチャンスを利用しつつ、9m自体がすでに2枚切られていたのに、ものすごくチャレンジ精神あふれる立直だなと感服したことを覚えています。

 

両面待ちを想定した際のオリ技術ですので、当然ながら100%安心とは言えませんし、スジに比べると、その牌が4枚(参考程度にするにも3枚)見えていないといけませんので、スジほど使用頻度は高くありません。

6位:一九(老頭)牌

 

スジやカベを出し尽くし、困ったときに頼りになるのがこれです。麻雀動画などを見ていると、困ったときの救済策として、結構皆さんが利用しているオリ牌です。

 

片スジで真ん中の牌を切っていくよりも安心感があります。

 

仮に放銃したとしても、捨て牌が平和系であるのならタンヤオはつかず、そこまで点数は高くないため、放銃してしまってもいいやくらいの気持ちで切ることができます。

 

もちろん、捨て牌が極端に中張牌の場合は、逆に危険なので絶対に持っておく必要があります。全帯放銃ならまだしも、国士放銃なんてたまったものではありません。

 


↑そこそこ信頼できる守備牌のライン↑

↓正直参考程度であって、あまりアテにはならないライン↓

7位:ワンチャンス(カベ)

 

ノーチャンスのほうが、ワンチャンスに比べると安全度は高いです。ワンチャンスは、たとえば2sが3枚見えていて、残り一枚がどこにあるのか分からないけれど、4人いるうちで立直者が持っている可能性は高くないはずなので、1sは安全かもしれない。という程度の、本当に参考程度にしかならない読みです。

 

4人というのは、多いようで、実は少ないのです。最後の一枚を立直者が持っている可能性だってじゅうぶんにあります。

 

2・3・7・8のワンチャンスに関しては、片スジよりは参考になります。というのも、基本的に3枚捨てられて牌の外側の牌を使って面子構成をするのが難しいからです。たとえば7が3枚見えた時点で、8や9は見切る可能性が高いのです。もちろん対子で持っておりシャボ待ちロンも大いにあり得ますので、あくまで「参考程度」です。

8位:片スジ

 

中スジの片方バージョン、略して片スジです。1が捨てられているので4は安全だろう、という読みなのですが、正直あまりアテにはなりませんし、無筋を切っているのと大差ない気がします。

 

表・中スジも出し尽くした。カベも見当たらない。他家立直後のツモが無駄によく、中張牌ばかり集まってきてヤオチュー牌すら出し尽くしてしまった。こういうときに参考程度で切るものでしょうか。

 

1は立直までの安全牌として持っており、56塔子も持っているような場合だって普通にあります。1を切って47待ち聴牌。大いにあり得ますね。

 

個人的に、片スジを切るのは無筋を切るのと大差ないと考えていますので、仮にそこまでオリる牌がなくなったのであれば、逆にツッパでいきます。

 

安全そうなヤオチュー牌すら手牌にない状況なんですから、どれを切っても当たりそうだと諦めて、タンヤオ確定で早上がりを目指します。

9位:スジやカベを除く、場に安い色の牌

 

知らない方もいるやもしれませんので、最初に書いておきますが、「色」というのは萬子・筒子・索子のことです。場に安いというのは、4人の捨て牌の河を見ると、その色の数牌がバンバン切られている状況のことを指します。(たとえば、序盤から萬子がバシバシ切られていれば、萬子が安いと言います。)

 

もうここまで安全牌に困ったら、逆に安手早上がりで攻めてやれと考えてしまいそうですが、相手から大物手臭がすることもありますし、絶対に放銃したくないというのであれば、とりあえず場に安い色の牌を切るのが最終手段です。

 

ぶっちゃけ、無筋を切るので普通に当たりますし、「参考になる」とも言えないレベルですが、ここまでくると「放銃したくない」というよりも「放銃したとき」のことを考えた打牌になります。

 

つまり、あくまで放銃してしまったときのことを前提に考えるということです。場に安いということは、誰かがその色を使った染め手をしている可能性が極めて低いということです。

 

点数の高い清一色や混一色に振り込む可能性も低いだろうし、これだけ切られていれば順子も構成しにくいだろうから、安全だろう。振り込んだとしても安いだろう。という理屈です。

 

ただし、あくまで「推測」のレベルですので、アテにはなりません。最後に残った塔子だけ萬子で、アタマ含め残りはすべて筒子、なども見たことがあります(実際こういう手に振り込んでも安いことが多いのは事実ですが)。